27 帰国受験

目まぐるしく変化する子供の学習環境
日本帰国時の中学受験における
帰国生入試や一般入試の内容を紹介

■ 日本の帰国子女受け入れ校
香港から日本に帰国する際、子供の進路をどう決定していくか、親は頭を悩ませるはずだ。さらに近年では、IB(国際バカロレア)クラスの設置や、中学入試において英語入試の導入を進めている学校が増え始めるなど、子供を取り巻く学習環境は目まぐるしく変化している。

■ 中学受験
これまでは、帰国生としての恩恵を受けることのできる学校は限られていたが、現在では帰国枠を新たに設ける学校や、受験科目に英語を選択できる学校が増えてきた。東京都市大付属、市川などは、帰国入試という形態をとらずに、英・国・算の3科目入試を一般入試として実施している。これは、国際社会で通用する教育を目指すという一般的な目標を掲げるだけではなく、日本での英語教育の段階的な改革が決定したため、学校側がこれに対応する動きを取り始めたからだ。

■ 中学受験の種類
①帰国生入試(一般入試と別日程、別問題)
国語・算数の2科目か、国語・算数・英語の3科目入試が一般的だが、渋谷教育学園幕張や攻玉社・頌栄女子学院のように英語1科目で受験できる学校もある。また、一般入試よりも早い日程で実施されることもあり、国語と算数の問題は一般入試に比べると難易度はやや下がる傾向にあるといえる。ただ、それなりの対策は必要で、海城・聖光学院・渋谷教育学園渋谷のような難関校であれば一筋縄ではいかない問題も出題される。

②帰国生入試(一般入試と同一日程、同一問題)
国内の一般受験生と同一の日程、問題で入試を実施するが、帰国生の枠が設けられており、優遇措置を受けることが出来る。巣鴨、豊島岡女子学園のように、帰国生の入試合計得点に明確な加点をしてくれる学校もあるが、一般受験生と同じ問題に挑戦をする上では、十分な準備が必要だろう。

③一般入試
国語・算数・理科・社会の4科目(関西の場合は国語・算数・理科の3科目の場合もあります。)入試。ただ、首都圏で御三家と言われるような難関校や、慶応普通部・慶応中等部・早稲田大学高等学院中学部のような有名大学附属中学の多くは帰国枠がなく、日本と変わらない準備が必要となるが、その分受験校選択の幅が広がる。

■高校受験
中学受験と比べると、高校受験では、帰国枠を設けている学校が多く、帰国生にとっては有利に働く場合が多いと言える。
大きく分類すると、公立高校および国立高校、私立大学附属校・私立進学校が主な選択肢となるが、大学付属校か進学校か、進学校の場合はその大学進学実績、共学が別学か、受験科目は3科か5科か、などを検討して志望校を選択していく必要がある。
まず、公立高校は都道府県によって帰国生に対する対応がまちまちだ。例えば、東京都では、都立国際・三田・竹早・日野台に関しては3教科(英・数・国)での受験が可能。国立高校でも東京学芸大附属・大阪教育大学池田に関しては、帰国生は3教科受験となる。
次に、私立高校の帰国入試においては、年内に香港やシンガポールで受験できる学校がいくつかあるため、これらの学校を受験してから国内の入試に臨むパターンが一般的となっている。具体的には、土浦日本大学・立命館宇治・茗渓学園・早稲田渋谷シンガポール・同志社国際・啓明学院などで、いずれも帰国生の受け入れのために寮を備えている。これらの学校の帰国入試を受験する場合は、日本国内の一般入試と比べると約半年早く入試が始まることになるため、早めの準備が必要となる。
また、海外では私立の大学付属高校の人気が高く、早稲田系(早稲田大学高等学院・早稲田大学本庄高等学院・早稲田実業)と慶応系(慶応義塾・慶応義塾志木・慶応義塾女子・慶応義塾湘南藤沢)はいずれの学校も3教科での帰国生入試を実施しているが、中学での学習範囲を超えた、高い学力が要求される。
中央大学杉並・青山学院・ICUなどは帰国生に対して一般入試の前に、別日程で特別な入試を実施しているので、帰国生には重要な選択肢のひとつとなっている。
進学校では、千葉県の渋谷教育学園幕張の人気が高く、帰国枠では英語のみの入試となり、非常に高い英語力が要求される。

■コース選択
日本の高校では、進路や学習状況に合わせて複数のコースを設けている学校が多くなってきている。例えば、都立国際・玉川学園・立命館宇治・茗溪学園などは、国際的な教育プログラムであるIB(国際バカロレア)クラスを設置している。また、文部科学省により、SGH(スーパーグローバルハイスクール)の指定を受けている学校では、英語教育の枠にとどまらないグローバルリーダーの育成を目指す。
他にも、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受け、理系に特化したプログラムを組んでいる学校もある。

■ 大学受験
大学入試における帰国入試は、約400の大学で実施されている。中学入試や高校入試とは異なり、年間を通じて様々な形式の入試が行われているため、入試の日程を事前に調べておき、それを踏まえた学習計画を立てる必要がある。自身の志望大学がどのような形態をとっているのかについても、しっかりとおさえておく必要がある。
主流となる4月入学の大学では、早稲田大学の共通入試のように現代文読解や小論文、理系各科目の筆記試験が課せられるため、これらの対策が必要となる。小論文は青山学院大学や慶応義塾大学のようなテーマ型小論文だけではなく、早稲田大学、上智大学、ICUのように文章読解が必要な小論文もある。合格を勝ち取る小論文を作成するためには、多角的に物事を捉える力、論理的思考と読解力、的確に伝える表現力が必要だ。また、小論文は社会問題がテーマとして取り上げられることが多いため、普段から世の中の動きのチェックを欠かさないことが重要といえる。なお、早稲田大学の商学部など文系学部でも数学が必須となる場合があるため、数学の勉強は欠かせない。

選考方法に関しては、慶応義塾や早稲田・上智の国際教養のように出願書類(TOEFL、IB、SATなど)を重視する型、早稲田大学・立教大学・中央大学・横浜国立大学・九州大学のように入試成績を重視する型、上智大学・ICU・東京大学・一橋大学のように出願書類・入試成績の両方を重視する型と大きく3つのタイプに分類される。
そして、大学・学部・学科ごとに出願に関する 資 格・条 件 が細かく定められている 。TOEFL、IB、SATなどのスコアは、現在通っている学校がどの国の教育制度を採用しているのかによって大学ごとに提出する書類が異なる。
慶応義塾などの書類選考を重視する大学では、主にIBの成績評価や統一試験の結果が重要となる。そのため、高校3年間の学習の取り組みや、統一試験に向けて目標を定めて計画的に受験していくことが必要だ。また、早稲田大学などの当日の入試を重視する大学は、文系では小論文、理系では各教科の勉強がより重要。もちろん、早慶・文理を問わず、TOEFLのスコアが非常に重要であることは言うまでもない。

〈記事提供〉
epis Education Centre
TEL:(852) 2838-7177

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