63 個人事業

ビザの制約から登記、税務申告まで
香港で個人事業を始める際には
内容をきちんと確認しよう

■ ビザの制約
香港で個人事業を始めようという場合、最初の関門はワークパーミット(ビザ)の問題。既に永住権(パーマネントIDカード)を取得している方の場合は問題ないが、そうでない場合はここが最大の難関となる。個人事業を営もうと考える個人が香港での居住権を必要とする場合、一般的な就業ビザ(Employment visa)ではなく、投資ビザ(Investment visa)を取得することになるが、個人事業の場合、これを取得することは非常に困難だ。投資ビザの要件である(雇用の創出を含む)香港経済への貢献が、個人事業のレベルでは達しえないと見なされるためで、政府支援のプログラム(例.インベスト香港のStartmeupHK Ventrue Programme)によってビジネスの内容が評価された場合等には必ずしもその限りではないが、一般的には、個人事業の形態で事業を行うのは難しく、法人を設立した上での事業活動が必要となる。
なお、就業ビザのステータスで香港に滞在し、いずれかの会社で雇用された状況でありながら、副業で個人事業を営むケースも時折見られるが、就業先の会社との関係(副業禁止や利益相反)のみならず、就業ビザの発給要件であるその会社での専従義務違反に問われる可能性があるので注意が必要だ。一方、配偶者ビザで香港に居住している方はビザのスポンサーがその方の配偶者であるため、上記の制約はない。最近、駐在員の夫に帯同して香港に来た夫人が個人事業主として香港で事業を始めるケースも見られるようになった。

■ 登記と税務申告
法人の場合と異なり、個人事業の場合には税務局(IRD)のBusiness Registration Officeへの登記だけで済む。法人のように秘書役の設置は求められない。毎年12月31日締めで決算を行い、税務申告を行う必要がある(会計監査は必要ない)。
税務申告については、個人事業主の場合、年間に得た収入が事業所得のみの場合はProfits tax、事業所得以外に給与所得(会社から雇用されることによって得た収入)や不動産賃貸所得を得た場合には、Personal assessment(個人総合課税)の申告を行う。(標準税率はともに15%)申告期限は通常、毎年7月31日だが、申請により2ヵ月間提出を延期することができる。

■ 会社の健康状態は?
不透明な伝票処理や入金管理、曖昧な仕分けルールなどは、企業としてのガバナンス強化の妨げになると同時に、管理・処理をする担当の業務効率、モチベーションの低下にも繋がる。経営層や担当責任者が、自社の強みだけでなく「弱み」をきちんと把握し、説明できるかどうかは勿論、また、その弱みについて議論できる環境づくりをしていると、より社員の安定・安心に繋がるだろう。

■ 経営分析はどのレベルで運用しているか?
会社の健康状態を保つには、定期的に経営状態の問題や改善点の有無を確認することが必要ですが、どのような経営指標を作成管理し、レポート頻度はどの程度必要か、企業の運営規模や業態によって適正な判断が必要となる。また、システム・ERPを使用し、正確な帳票出入力が可能かどうかなど、KPIを運用する際においても、適材適所な業務負担であるか、業務効率が良いかどうかの精査も必要だ。

■レポーティングライン、指示系統は明確か?
海外現地法人責任者や総経理は多くの数字を管理し、部署、部門ごとのPDCAを考慮しながら、仕事のタイムスケジュールを組み立てレポートするまでの業務サイクルを確立していかなければならない。各部署責任者や部門長ではない担当者など、四方八方から突然のレポート依頼が頻繁に発生している場合、本来の業務に支障が出るケースもある。適正なレポーティングラインの確立、指示系統が機能しているかどうかも、業務環境の面では重要なポイントといえる。

〈記事提供〉
NAC KINGSWAY HR LTD
TEL:(852) 2180-7451
Web:nacdoc.com、nachrasia.com

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