60 法制度

中国返還後も契約社会の香港
英国に準じた法制度が
どのようなものなのか知っておこう

■ 取引前に契約書の取り交わしを
香港には各条例とともに、裁判所の判決例を基本とした法制度が採用されている。これはかつて英国の植民地であったことから、コモンローの精神を受け継いでいるからである。
国際都市香港では日本、中国、東南アジアの国々とクロスボーダービジネスが行われていることが多く、事前に各ビジネス形態に合った契約内容を検討している。万が一、紛争などが発生した場合も考慮し、取引を開始する前に少なくとも取引条件を記載した契約書を交わすことが望ましい。

■ 注意すべきコンプライアンス 
近年、香港では各方面の法律が厳格化・細分化されており、事業を行うに当たり、適用法へのコンプライアンス強化が必須となってきている。事業の立ち上げから継続の過程で求められる、税金、雇用、コーポレートガバナンス、対第三者への責任リスク等を踏まえた内部規定の確立が必須。また、契約書を交わさずにPurchaseOrderのみで長年、取引先と取引をしている企業も多数あるが、取引先との紛争や売掛金回収時に拠り所となる契約書がないことは好ましくない。

■ 知的財産権の保護
事業進出の際に気をつけたいのが商標・特許・意匠権・ドメインネーム等の知的財産の保護である。香港と中国は異なる法律制度のもとにあるため、自社の知的財産を保護するためには香港と中国の両方においてこれらの知的財産権を登録する必要がある。香港のみで知的財産権を登録している場合は、中国で自社の知的財産が不正使用されていてもこれを阻止する有効手段がない。中国と香港の双方で知的財産の出願・登録がなされていれば、行政、税関による差し止めや押収の手続きが可能となる。マカオも同様の対応ができる。

■ 近年施行された条例
202014年3月に新会社条例、2015年12月に競争条例、2016年1月に契約における第三者の権利条例が施行された。中でも、競争条例は、今まで自由経済主義を通してきた香港において、新たに中小企業の利益を守り、市場競争の妨げを防ぐことを目的としている。今後、営業活動や取引先との契約締結の際には当該条例や競争法ガイドラインに遵守しているかどうか、注意を払うことが必要になる。

関連記事

ランキング

ピックアップ記事

  1. 香港便利帳2019年度版 香港に赴任が決まった方は必見です。 香港のビジネス・暮らし情報をト…
  2. 香港には2階建てバスやミニバスなど 様々なバスがある 便利に使いこなそう ■ バス 路路線バ…

ページ上部へ戻る